仕事で毎日使うパソコン、起動するだけで一苦労…なんてこと、ありませんか?「パソコンが遅いせいで、まったく仕事にならない!」と、イライラが募っている方も多いのではないでしょうか。エクセルを開くだけで数分待たされたり、メールを選んだだけで固まってしまったり…。これでは業務効率が下がるだけでなく、精神的にも疲弊してしまいますよね。


実は、その「遅い」には必ず原因があります。そして、原因さえ分かれば、驚くほど簡単に動作を改善できるケースも少なくありません。この記事では、なぜあなたのパソコンが遅いのか、その原因の調べ方から、今日からすぐに試せる具体的な改善方法、そして何をしてもダメだった場合の最終手段まで、わかりやすく徹底解説していきます。
もう、パソコンのせいで仕事が進まないなんて言わせません!この記事を読んで、ストレスフリーなPC環境を取り戻しましょう。
- パソコンが遅い原因と調べ方がわかる
- 初心者でもできる簡単な改善方法
- 空き容量があっても重い理由がわかる
- 最終的な解決策(買い替えなど)
パソコンが遅いともう仕事にならない!その原因とは
仕事で使うパソコンの動作が遅いと、本当にストレスが溜まりますよね。起動に15分、エクセルを開くだけで3分もかかっていては、仕事になりません。ここでは、まずそのイライラの元となる「原因」を突き止める方法から見ていきましょう。
パソコンが重い…原因の調べ方から始めよう


パソコンが重いと感じたら、まずは何が原因で負荷がかかっているのかを調べることが大切です。そのために非常に役立つのが、Windowsに標準で搭載されている「タスクマネージャー」です。
理由は、CPU(頭脳)やメモリ(作業机)、ディスク(データの保管場所)といった、パソコンの主要パーツが今どれくらい働いているかをリアルタイムで確認できるからです。特にCPUやディスクの使用率が常に85%~100%に近い状態だと、パソコンが悲鳴を上げている証拠ですね。
具体的には、以下の手順で確認できます。
- タスクバーの何もないところを右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。(ショートカットキー
Ctrl
+Shift
+Esc
でも開けます) - 「パフォーマンス」タブをクリックすると、CPU・メモリ・ディスクなどの使用状況がグラフで表示されます。
もし「ディスク」の使用率が100%に張り付いている場合、これは「ディスク100%問題」と呼ばれる有名な症状で、ストレージ(データをしまっておく場所)に大きな負荷がかかっている状態です。原因は様々ですが、これが動作の遅さの直接的な原因であることが非常に多いです。
Windows11や10で動作が遅くなる理由
パソコンの動作が遅くなる原因の一つに、Windows自体の機能が影響している場合があります。特に「Windows Update」や「視覚効果」は見落としがちなポイントです。
なぜなら、Windowsはセキュリティを保ち、新しい機能を追加するために、裏側で定期的に「Windows Update」という更新作業を行っています。この更新作業中は、パソコンのリソース(力)を大きく使うため、どうしても全体の動作が重くなってしまうのです。特に、月に一度の大きな更新プログラムが適用される際は、半日近くパソコンが使い物にならなくなることもあります。
また、Windows 10や11は、画面をキレイに見せるための「視覚効果」(ウィンドウが透けたり、アニメーションで動いたりする機能)が標準で有効になっています。これも、わずかながらパソコンの性能を消費するため、積み重なると動作の遅さにつながります。
これらの機能はパソコンを安全で快適に使うために必要なものですが、時にはパフォーマンスの低下を招く原因にもなる、と覚えておきましょう。
空き容量があるのにパソコンが重いのはなぜ?


「不要なファイルを消してCドライブの空き容量はたくさんあるのに、なぜかパソコンが遅い」という経験はありませんか?この現象の主な原因は、パソコンに搭載されているストレージの種類、特にHDD(ハードディスクドライブ)にあります。
HDDは、レコード盤のような円盤(ディスク)を物理的に回転させてデータを読み書きする仕組みです。そのため、データの読み書き速度に限界があり、これがパソコン全体の動作のボトルネック(速度を低下させる原因)になりやすいのです。特に、メモリ不足と重なると劇的に遅くなります。
これを例えるなら、図書館で本(データ)を探す作業に似ています。
- HDD:広い図書館の中を司書さん(ヘッド)が歩き回って、あちこちに置かれた本を探し出すイメージ。本がバラバラに置かれている(断片化)と、さらに時間がかかります。
- SSD:全ての本の場所が索引で管理されており、司書さんが動かなくても一瞬で目的の本を取り出せるイメージ。
このように、HDDをSSD(ソリッドステートドライブ)に交換するだけで、起動時間やアプリの読み込み速度は劇的に改善されます。CPUはまだ現役で使える性能でも、ストレージがHDDというだけで、パソコン全体のパフォーマンスが大きく低下しているケースは非常に多いです。
パソコンは何年くらい使うと遅くなるの?
パソコンの動作速度は、一般的に購入から5年を過ぎたあたりから遅くなったと感じやすくなります。内閣府の調査でも、パソコンの平均使用年数は約6~7年というデータがあります。
その理由は、大きく分けて2つあります。
- ハードウェアの経年劣化:パソコンは精密機械の塊です。特にHDDのような物理的に駆動する部品は、長年の使用で摩耗し、性能が低下します。また、内部にホコリが溜まることで冷却性能が落ち、「熱暴走」を起こしてパフォーマンスが低下することもあります。
- ソフトウェアの要求スペック向上:OSやアプリケーションは、日々アップデートされ、より高機能になっています。それに伴い、要求されるパソコンのスペックも年々上がっていきます。つまり、5年前は快適だったパソコンでも、最新のソフトを動かすには性能不足(スペック不足)になってしまうのです。
会社のリース品などで、導入から4~5年経過しているパソコンが遅いと感じるのは、こうした経年劣化やスペック不足が複合的に絡み合っている可能性が高いでしょう。
遅いパソコンで仕事にならない時の改善方法
原因が分かったところで、次はいよいよ改善策です。初心者でも簡単に試せるものから、少し専門的なものまで、段階的に解説していきます。これで、仕事にならないほどのストレスから解放されるかもしれません。
誰でもできる!パソコンを軽くする方法


専門的な知識がなくても、誰でも簡単に試せて効果が期待できる方法がいくつかあります。パソコンの動作が重いと感じたら、まずは以下の3つを試してみてください。
- パソコンを再起動する
「とりあえず再起動」は、実は非常に有効な手段です。シャットダウンではなく「再起動」を選ぶのがポイント。再起動することで、メモリ上に溜まった不要なデータがクリアされ、システムがリフレッシュされます。長時間スリープで運用している方は、定期的な再起動を心掛けるだけで動作が安定することがあります。 - 不要なアプリケーションを削除(アンインストール)する
使っていないソフトや、購入時にプリインストールされていたメーカー独自のアプリは、知らないうちに裏側で動いて(常駐して)メモリを消費していることがあります。コントロールパネルの「プログラムのアンインストール」から、不要なアプリを削除しましょう。 - デスクトップを整理する
デスクトップ画面にファイルやショートカットを大量に置くと、それだけでパソコンの起動時や動作に負荷がかかります。デスクトップは作業机と同じ。スッキリ片付けておくのが基本です。
これらの方法は、いわば「パソコンのお掃除」。定期的に行うことで、快適な状態を保ちやすくなりますよ。
パソコンの動作を改善する具体的な設定
基本的なお掃除で改善しない場合は、少し踏み込んだ設定を見直してみましょう。ここでは、パソコンのパフォーマンスを優先させるための具体的な設定変更を紹介します。
- スタートアップアプリを無効にする
パソコン起動と同時に自動で起動するアプリ(スタートアップアプリ)が多いと、起動が遅くなる大きな原因になります。タスクマネージャーの「スタートアップ」タブで使用しないアプリを「無効」に設定しましょう。特に「スタートアップへの負荷」が高いと表示されているものは効果大です。 - 視覚効果をオフにする
Windowsの見た目をリッチにするアニメーションなどの視覚効果は、パフォーマンスを犠牲にしています。「システムのプロパティ」から「パフォーマンスを優先する」に設定を変更することで、見た目はシンプルになりますが、動作はキビキビします。 - 電源プランを「高パフォーマンス」に変更する
ノートパソコンの場合、バッテリーを長持ちさせるために性能を抑える「バランス」や「省電力」モードになっていることがあります。電源プランを「高パフォーマンス」に変更することで、パソコンの性能を最大限に引き出すことができます。(ただし、バッテリー消費は早くなります) - ディスクのクリーンアップと最適化(デフラグ)
前述の通り、HDDを使っている場合は、不要な一時ファイルを削除する「ディスククリーンアップ」や、バラバラになったデータを整理する「ドライブの最適化(デフラグ)」を定期的に行うと効果的です。
これらの設定は、少し手間がかかるかもしれませんが、パソコンの根本的な動作改善に繋がる可能性があります。
会社のパソコンが遅い時のストレス解消法
会社のパソコンが遅い場合、個人の判断でメモリ増設やソフトのアンインストールを行うのは基本的にNGです。リース品であったり、会社のセキュリティポリシーに違反したりする可能性があるからです。
では、どうすれば良いのでしょうか。最も重要なのは、上司や会社のシステム管理担当者に現状を報告・相談(報連相)することです。
その際、ただ「パソコンが遅くてイライラします」と感情的に伝えるのではなく、「〇〇の作業に通常1分のところ10分かかっており、業務に支障が出ています」というように、具体的に業務への影響を伝えることが重要です。
会社の対応は様々でしょう。「あと数ヶ月でリース切れだから我慢してくれ」と言われるかもしれませんし、「業務効率の低下は問題だ」とすぐに対応してくれるかもしれません。いずれにせよ、一人で抱え込まずに声を上げることが、ストレスを軽減し、状況を改善するための第一歩です。
どうしてもダメな場合の最終手段
これまで紹介した方法をすべて試しても改善が見られない場合、それはソフトウェアの問題ではなく、ハードウェアの性能が限界に達している可能性が高いです。その場合の最終手段は、物理的なパワーアップ、つまり「部品の交換」または「パソコンの買い替え」です。
- メモリの増設
メモリが4GBなど致命的に少ない場合、8GBや16GBに増設するだけで劇的に改善することがあります。複数のソフトを同時に使う作業では特に効果的です。 - HDDからSSDへの換装
これが最も効果的な改善策の一つです。たとえ古いパソコンでも、ストレージをHDDからSSDに交換するだけで、起動速度やアプリの反応が見違えるように速くなります。 - パソコンの買い替え
使用年数が5年を超えている、CPUの世代が古いなど、全体的に性能が低い場合は、買い替えが最も確実で、結果的にコストパフォーマンスも高くなることがあります。現代のビジネスシーンでは、最低でもメモリ8GB以上、ストレージはSSD搭載のモデルを選ぶのが賢明でしょう。
これらの手段は費用がかかりますが、日々の業務で失われる時間とたまるストレスを考えれば、十分な投資価値があると言えるでしょう。
パソコンが遅くて仕事にならない…お悩みをQ&Aで総まとめ!
質問(Q):
パソコンが重い原因はどうやって調べるの?
回答(A):
タスクマネージャーを開き「パフォーマンス」タブでCPU・メモリ・ディスクの使用率を確認するのが基本です。特にディスク使用率が100%になっていないかチェックしましょう。
質問(Q):
空き容量はあるのに、なぜかパソコンが遅いんだけど…
回答(A):
ストレージがHDDの場合、データの読み書き速度そのものが遅いことが原因です。また、メモリ不足やバックグラウンドで動くソフトが多いことも影響します。
質問(Q):
初心者でもすぐにできる改善方法は?
回答(A):
まずは「再起動」を試すこと。次に、使っていない不要なアプリの削除(アンインストール)や、PC起動時に自動で立ち上がるスタートアッププログラムの無効化が簡単で効果的です。
質問(Q):
会社のパソコンが遅い場合はどうすればいい?
回答(A):
勝手に設定を変更せず、まずは上司やシステム管理者に「業務に支障が出ている」と具体的に伝えて相談することが重要です。「報連相」を徹底しましょう。
質問(Q):
色々試したけど速くならない…もうダメ?
回答(A):
使用年数が5年を超えている場合、ハードウェアの限界が考えられます。メモリの増設や、最も効果的なHDDからSSDへの交換、またはパソコン自体の買い替えを検討する段階です。
この記事では、動作が重くなったパソコンの原因究明から、誰でも試せる改善策、そして最終手段までを詳しく解説しました。日々の業務で感じる小さなストレスも、積み重なれば大きな生産性の低下につながりますよね。今回ご紹介した方法を一つずつ試していただくことで、あなたのパソコンが見違えるように快適になるかもしれませんよ。諦める前に、ぜひチャレンジしてみてください。快適なパソコン環境を取り戻し、ストレスのない毎日を送りましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました!